伝統料理を守る、スローフードの考え方

ヨーロッパも日本と同じ顛末になりかけた?

イタリアのこうしたスローフード運動についてはいつ頃から本格的に流行し始めたのかというのも気になるだろう。その話をするとヨーロッパ全域に共通するある出来事と共通する部分がある。それはヨーロッパでも日本と同様、ファストフードが食文化の中心的存在になろうとしていた1980年代頃の話へと繋がっていく。その頃には日本はマクドナルドを始めとしたファストフードを好意的に受け入れを始め、既に日本の若者たちの間でファストフードはなくてはならない文化としての地位を獲得するまでに至った。こう考えてみると何とまぁ昇華されたスピードが早いのかと思うところ、早く食べられう上、お手頃価格で購入できるとあればお金のない若者に容認されれば後はもう流れに任せるだけだ。現在では当時の若者達が中高年代に位置しているため、彼らにすればマクドナルドは青春時代の1ページとして数えてもいい存在だろう。しかして現状のマクドナルドの惨状を目の当たりにして、どんな気持ちに苛まれているのかとその点も気になるといえば気になる。

そんな日本の流れに押されるようにヨーロッパでもファストフードがその頃から徐々に台頭していくのだった。進出することによって経済的に潤いがもたらされれば文句はない、お金は市場を流れてこそその真価を発揮するため、お金が循環サイクルを機能していればいるだけ市場としてもありがたいと思うものだ。

しかしその反面として、ファストフードの存在が今後イタリアの食文化を脅かす存在になりかねないと危惧したジャーナリストがいた。それが1986年、スローフード運動が誕生した年となっている。そう、イタリアではこの頃からスローフードを、伝統的な食文化を保全する義務があると主張するようになったのは、そんなファストフードという便利という名の檻に放り込まれる直前で提唱された。

ファストフードと言っても種類が異なっている

ここで1つ疑問点を出すとするなら、どうしてスローフードの登場を促したジャーナリストがファストフードの存在を恐れたのかが気になる。調べてみると、日本ではファストフードといえばハンバーガーを想像するかもしれないが、ヨーロッパの人々はファストフードと言っても国によっておおよそ違ってくる。それもまた各国固有の食文化に基づいた料理を提供しているからだ。例として紹介すると、

  • イギリスのファストフードの特徴:紅茶大国ならではの、紅茶が他の飲み物よりも安く提供されている
  • フランスのファストフードのの特徴:サンドイッチを中心として、サラダなどのカフェで提供されているメニューとなっている
  • ドイツのファストフードの特徴:ホットドッグが親しまれているため、ホットドッグを始めとしてさらにドイツならではの地ビールなども飲める
  • 共通の特徴:日本ではなかなか無い、ミネラルウォーターを提供している

こんな特徴がそれぞれの国にある。いくらファストフードと言ってもアメリカのような大食漢が好みそうな油をタップリと使用した食事はヨーロッパの人々には受けない、そうなるとメニューは国の特性に合わせて編成しなければならない。イギリスの紅茶にしても、フランスのサンドイッチやドイツのホットドッグ、さらに地ビールというファストフードで取り扱うメニューかと疑問に思うようなものを消費者に合わせて展開している。

また日本では水道水が直で飲水出来るため馴染みはないが、海外の人々は基本水はミネラルウォーターを飲んでいる。水道水は飲めたものではなく、作業をする際に必要なものという風な意味合いで使用されているため、海外の人はミネラルウォーターがあれば当然のように購入するのも、日本人には馴染みのない光景だ。

こうしたファストフードの展開の仕方を見れば、なんとなく危険を提唱したジャーナリストの考えも理解できると思う。便利なものが普及したら一極的に皆がそちらへと傾倒してしまう、そうなったら地方の文化が退廃してしまうと安易に予測できたからこそ、便利もいいが家庭的で手作りの食事を取るのが素晴らしいことだとするスローフード運動を生み出したのだった。

スローフード文化による成果として

台頭し始めていた時だったため、イタリアとしても食文化が著しい崩壊からは何とか回避するのに成功し、現在まで継承されている食に対してのこだわりを持続し続けている。先を見据えたジャーナリストの裁量も大したものだ、結果としてスローフードという概念のもと現代まで食文化があまりに偏食しないよう維持するように体系を整えた点は誇るべきところだ。日本人にもそうした心意気が根付いていれば現状は違ったのかもしれない。

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