伝統料理を守る、スローフードの考え方

賛同している人は多い

そんなファストフードの台頭を恐れ、今後としても伝統的な郷土料理を保護するために何をするべきかと考えられるようになった。おそらくこうした動きも提唱があったからこそだろう、もしも無ければそのまま時代の波に攫われてしまい、恐れられていた事態に直面していたと想像できる。そうした顛末にならなかったのは、イタリアの地方都市で郷土料理に対して深いこだわりと情熱を持っている人々の協力があったからこそ成し得た成果だ。それを代表する事例として、イタリアはピエモンテ州のブラから始まったスローフード運動が大きく影響している。

この地で今から20年ほど前の1986年に始まったスローフード運動は地元の人々に対して強い共鳴を呼び起こし、現在では世界規模で影響を与えるくらいにまで発展した。この村から始まったスローフード運動を支える協会は、日本を始めとした世界各国へとスローフードという概念を広く理解してもらえるために日々精力的に指導し、多大な影響力を与えている。実は日本というちっぽけな赤珠定規などで推し量れるものではなく、世界規模で測定されているものさしでスローフード運動を推し進めている支持者たちが世界各国に存在しているというのだ。グローバルすぎる話なのでイマイチ実感はないかもしれないが、知らないだけでとても有名な話だというのを理解してもらえればそれで十分だ。

発祥の地であるイタリアでは今でも積極的に推し進められており、それこそ日本における食生活改善といったプログラムがアホらしくなるほど厳格に取り決められている。ではイタリアではどのようにスロフード運動が行われているのかを見てみよう。

食生活における改善法

イタリアのスローフード運動では中央で算出されたデータだけではなく、地方自治体などの協力も含めたあらゆるテーマのプロジェクトが展開されている。そのどれもが成功を果たしており、世界的にも食に対して異常という、この場合は褒め言葉に該当するくらいのこだわりを持って取り組んだ結果が世界初の食科学大学を創立するといった方面へと繋がっている。情報として知らなくても、イタリアが十分に食へのこだわりを強く持っていることがなんとはなしに伝播しているだけで、取り組みが世界的な影響力を持っていると証明していた。だからこその政府も厳格にワインやチーズといったイタリア人になくてはならない食品の規制を課していることへと繋がっている。

そんなイタリアで展開されている『正しい食物摂取-より良く食べて健康的に生きる』プロジェクト、日本にもありそうだなぁと感じる取り組みが行われている。

プロジェクトの内容

このプロジェクトの内容としては、主に地中海式食事療法を元にした食生活を指針するものとなっており、具体的にはどんなことをすればいいのかというと、

  • 野菜・果物・水分を多く摂取する
  • 脂質を控える
  • 様々な食品を摂取する
  • 運動不足を解消する
  • 食べ過ぎに注意

という上記5箇条を基本理念としている。耳が痛いことばかりなのはおそらく気のせいではない、現実を見るとやらなければならないとひしひしと痛感しているのは心当たりが多すぎるからだろう。

さらに政府直々の肥満防止についての宣伝なども展開されているため、日々イタリア人はそうした苦労を背負わされているという。こうなるとどこかプロパガンダではないかとも感じなくもないが、成果が出てかつ地方にも少なからず恩恵が出回っている点を考えれば納得せざるを得ない。

もしかしたら日本で肥満に苦しんでいる人はイタリアでこのプロジェクトに参加すれば健康体になれるのではないだろうかと思うが、後は本人のやる気次第だろう。

郷土料理を愛している

こうした食育プログラムは概念として成立していても、実際は効力を発揮するものではない。根底に要因となるものがなければ成り立たないのはイタリア人もそうだ。それはスローフード運動が誕生することになったイタリア人の気質が一番の起点となっている。この国では郷土料理、つまりは母の味を昔懐かしく、そして一番大好きな味として受け継がれており、食事も家族団らんで摂取しなければならないと、義務感に近い部分で行っている。

食事はただ栄養を摂取するだけではなく、またインスタント食品などを愛好し、足りない栄養素をサプリメントで済ませるといったことも違うと認識しているという。彼らにとって便利さも大切だが、イタリア人にとっての食事とは何を差し引いても手間ひまをかけて用意するだけの価値があると考えている。日本を始めとした国々とは、こうした食事に対しての価値観が異なっているのが一番の強みであり、誇りとなっている。

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